資本論の考え方で働き方を考える木暮太一さんの書籍の感想。
久しぶりに書評を書かせていただきます。『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』という惹かれるタイトルですね笑
- 作者: 木暮太一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/04/26
- メディア: 新書
- 購入: 4人 クリック: 156回
- この商品を含むブログ (33件) を見る
まぁ実際働いていないお前が何を言ってるんだという話なんですが
就活している身(最近してないけど)として、考えておこうという話題です。
著者の木暮さんが、現代における日本の働き方の問題点?を指摘した上で提言しているポイントが以下の通りです。
「働き方」のポイント
①世間相場よりもストレスを感じない仕事を選ぶ
②まず「積み上げ」によって土台を作り、その土台の上でジャンプする
③労働力を「消費」するのではなく「投資」する
④長期的な資産を作る仕事を選ぶ
⑤過去からの「積み上げ」ができる仕事(職種)を選ぶ
⑥変化のスピードが遅い業界・職種をあえて選ぶ
⑦賞味期限が長く、身に付けるのが大変で、高い使用価値のある知識・経験をコツコツ積み上げる
⑧PLだけではなく、BSも考えて働く(=BS思考)
日本の企業の大部分は、労働の再生産のために必要なコストを給料として払っているという考えの下、
そのコストは平均的なストレスなどから計算されている(=平均以下のストレスならその分給料の割がよくなる)という話。
短期的な目線ではなく、積み上げた上でパフォーマンスを上げていくことを意識する。
そのためには、現在の主流の産業よりむしろ変化の遅い産業(=今までの積み上げが有効)を選ぶのも有力。
といったようなお話でした。あくまでも僕がサッと読んだ上での解釈ですので各自読んで頂きたいと思いますが。
どうでしょうか。
ベンチャー企業をたくさん見て就活していて僕にとっては後半などあまり賛成できない部分もありましたが。
しかし全体的にとても考えさせられる本だったなぁと思っています。
あとすごい共感した部分がありまして、ブラック企業の問題について著者がむしろ「労働者の働き方に責任があるのは、労働者自身である」ということを書いていることです。
「多くの人は自分の働き方に関してあまりにも考えてきませんでした。
そして、考えてこなかった結果として、資本主義の世界にどっぷり浸かり、完全に資本主義のルールのなかで「搾取」されているのです。
そう考えると、その企業を「ブラック」にしているのは「あなた自身」なのかもしれません」
と書かれています。
何を「ブラック」と捉えるか自体が人それぞれだとは思いますが、世の中で「ブラック企業」が生存していくのは、たとえその状況に不満を持ったとしても、その状態に甘んじている人たちがいるからだと思うのです。
大学生の分際で偉そうなことを書いてしまいました。
ですが、思考停止することなく、自分の幸せのために働き方を考えることは大事だなと思いました。
また、本書の前半ではマルクス的考え方などでどうやって現在の日本の働き方を解釈できるか、という話が結構長く前置きで説明されています。
少し退屈に感じた部分もありましたが、マルクスを勉強していない僕にとっては新しい興味深い知識でした。そんな部分も勉強になります。